こんにちは♪
看護探究隊のあやぱんです。
この記事を読みに来てくださりありがとうございます♡
看護のカテゴリーでは、救急医療の現場で働いていた看護師のあやぱんが「体のしくみ」から「病気」について、また「看護現場で役立つ情報」を探究してまとめた学習記録です。
今回探究してまとめた内容は「傾聴」パート2です。
看護師の中には、傾聴のスキルをもっと高めたいと悩んでいる方がいらっしゃると思います。私もその1人です。
今回はそれを解決するために、患者さんが自然と心を開く傾聴法について探究してまとめました。傾聴のスキルでお悩みの方は、ここで一緒に解決していきましょう。
もし良かったら、前回の記事で傾聴の基礎についてまとめていますので、そちらも読んでみて下さい。
♡すぐに実践で使える傾聴法がわかる。
♡看護の観察力・アセスメント力が上がる。
聞く力
私は最近、傾聴について学ぶために熟読した書籍があります。
それは、「聞く力 心をひらく35のヒント」です。
看護専門誌ではありませんが、とても勉強になります。
専門誌と違って読みやすいので、内容が頭にスッと入ってきます。
内容が専門的でも自分の頭に入らなければ意味がありません。
私は昔から読書が苦手で、本は睡眠薬でした。私は読み始めるとすぐ寝てしまうのです。笑
一方で私の主人は小さい頃から本を読むことが好きな人です。だから、本を選ぶのも上手です。そんな主人はいつも、「どんなに内容が濃い本でも自分の頭に入らなければ意味ないよ。読みやすい方を買いな。」と私に助言してくれます。
だから今回も自分が読んでみたいな。読みやすそうだな。という本を選びました。
この書籍は、2012年に発行されものです。著者の阿川さんは、当時の時点で対談連載を20年以上も続けて来られた方です。対談は、限られた時間でゲストから聞きたい内容を聞き出さなければなりません。私は、これは看護師にも通じるものがあると感じ読み始めました。
この書籍には、阿川さん流の話し手が心をひらく35のヒントが書かれています。私はこの中から、看護の現場でもすぐに活かせるヒントを抜粋しました。
現場ですぐに実践したくなる傾聴法 5選
ここからは、看護の現場ですぐに実践したくなる「患者さんが自然と心を開く傾聴法」5選を紹介していきます。
1, 笑顔の力
まず最初に看護の傾聴とは、
患者さんが自分自身を理解し、現状をより良くしようとポジティブな行動がとれるようサポートすることです。
つまり、患者さんがポジティブな行動がとれるようにサポートするには、看護師がポジティブである必要があります。だからと言って、ケガや病気で心に傷を負った患者さんに常にポジティブに接しましょうという意味ではありません。
看護師が笑顔でいれば良いのです。
特に患者さんと何気ない談笑をする時は、笑顔で楽しそうに話を聞くのです。そうすると、阿川さん曰く話し手がもっと話したくなるというのです。
確かに自分に置き換えて考えてみると、友人や職場の人と飲みの場で会話をしている時は、「相手は私の話を聞いてて楽しいかな。」と気にします。そこで、相手が楽しそうに笑ってくれていたら、もう少し話したいな。なんて思ってきますよね。
患者さんも私たち看護師が笑顔で楽しそうに話を聞いていたら、「この看護師さんになら話したいな。」っと思うようになります。そして、患者さんの重要な決断の時に、患者さんの心の内を聞くことができるのは、いつも楽しそうに話を聞いてくれる看護師さんです。笑顔は患者さんが心を開くきっかけになります。
2, 興味・関心を持つ
前回の記事でも述べましたが、傾聴には3つのポイントがあります。
- 言葉以外の行動に注意を向け理解する(姿勢、しぐさ、表情、声の調子など)
- 言葉によるメッセージに最後まで耳を傾け理解する
- 言葉の背後にある感情を受け止め、共感を示す
これらの3つのポイントを実践するには、話し手(患者)に興味・関心を持つことが出来なければ実践は不可能です。
例えば、話し手が自分の好きな人だったら、その人の表情や行動に注意を向けますよね。また、最後までその人の話を聞こうとしたり、その人が発する言葉の背後にある感情を推測したりするでしょう。なぜならば、好きな人の話には興味・関心があるからです。
つまり、興味・関心があれば、自然と傾聴に必要な3つのポイントを実践できてしまうのです。
一対一の言葉のやり取りは繊細です。
看護師の目の動かし方、息の吐き方一つで、患者さんは「私の話つまらないかな。今は聞いてもらえない状況なのかな。」などと疑心暗鬼になります。
逆に、患者さんは看護師が自分の話に興味があると分かると、自然と心を開いてくれるようになります。
3, 看護師の観察力を生かす
阿川さんは北野武さんと対談をした時に、武さんが持っていた「おしぼり」に関心を示したことで、思いがけず事故後の心境を伺うことができたと著書で語られています。
看護師こそ、事故後の心境を聞き患者さんの心に寄り添いたいと思いますよね。それを出来てしまう阿川さんは凄いです。
でも、私達看護師にも普段の観察力を活かせば、阿川さんのように傾聴できます。
例えば、折り紙好きの患者さんがいつも床頭台に新作の折り紙作品を置き換えているとします。しかし、最近その患者さんは折り紙作品を置き換えなくなりました。それに気づいた看護師が患者さんに聞いてみると、「事故の影響で麻痺が残ってしまった。今までできていたことができなくなるのは辛いですね。」など、思いがけず患者さんの心の内を聞くことができたり、病気の進行や異常の発見にも気づくことがあります。
看護師の日頃の観察や患者さんへの関心は、自然と患者さんの心を開き、時には思いがけない病気や異常に気づくことさえできます。
4, 推し量る
聞く力の本の中では、旅館の女将さんの話が取り上げられています。旅館のお客さんの中には、落ち込んでいたり心配ごとやイライラを抱えながら旅館に訪れる方がいらっしゃると言います。これは、まさに病院と一緒ですね。
その時にお客さんの気持ちを推し量らず、全てのお客さんに元気よく「おはようございます。」と迎えることは、お客さんの気分を害すこともあるそうです。これもまた、病院と一緒ですね。
例えば、病院では患者さんの気持ちを推し量らずに、「明日手術ですけど今どんな気持ちですか。」とストレートに尋ね話を聞くことは、ときに患者さんの気分を害します。
看護師なのに、そんなこともわからないのかな。
↓
今まで僕みたいな患者を担当したことがないのかな?
↓
そんな看護師に担当されるのちょっとやだな。
このような心理で、患者さんは心を開くどころか、心を閉ざしてしまいます。
つまり、患者さんの気持ちをストレートに尋ねるよりも、患者さんの行動や言葉から今どういう気持ちでいるのかを推し量り行動することの方が患者さんは心を開いてくれることがある。ということです。
5, 慰めの言葉は2秒後
日常でもよくあることですが、相手(患者)を慰める機会ってありますよね。
また、相手が自信を失っているとき、「そんなことないよ。」と相手の発言を否定した経験は皆さんあるのではないでしょうか。
阿川さんは聞く力の本の中で相手を慰めるためには、2秒置いてから相手の言葉を否定すると良いのではないかと語られています。
確かに、患者さんが「私もう社会復帰無理かな。」と発言した直後に看護師が「そんなことないですよ。」とその言葉をすぐに否定しても、看護師の患者さんを理解しようとしている気持ちは伝わらない気がします。
私の過去の経験ですが、職場の大先輩に相談事をした時、「大丈夫、大丈夫。そんなことないよ。あやぱんならできる。信じなきゃ。」と私の言葉に対してすぐ返されたことがあります。でも、本気で悩んでいる私にとって、その言葉は逆に不快に感じました。
「何が大丈夫なの?私の気持ちわからないくせに。」と心の中で思っていたことを今でも覚えています。
つまり、大切なのはすぐに言葉を返すことではなく、患者さんの言葉を推し量りそれに適した言葉や行動(表情や動作等)で反応することです。
そして、患者さんが「この看護師さんは自分を理解しようとしてくれている。」と気づくと、自然と心を開くようになります。
今思うと、新米看護師ながらに考えて患者さんに言葉を返していた昔の自分は、間違っていなかったのかなと思いました。全然良いこと言えてなかったですが…笑
傾聴のまとめ
・笑顔は患者さんが心を開くきっかけ。
・傾聴の3つのポイントを実践するには、まず話し手(患者)に興味・関心を持つ。
・看護師の日頃の観察や患者さんへの関心は、自然と患者さんの心を開き、時には思いがけない病気や異常に気づくこともできる。
・患者さんの気持ちをストレートに尋ねるよりも、患者さんの行動や言葉から今どういう気持ちでいるのかを推し量り行動する方が、患者さんは心を開いてくれる。
・患者さんを慰める時は、すぐに言葉を返すのではなく患者さんの言葉を推し量りそれに適した言葉や行動(表情や動作等)で反応する。
いかがでしたでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
終わり♪