こんにちは♪
看護探究隊のあやぱんです。
この記事を読みに来てくださりありがとうございます♡
産後ケアのカテゴリーでは、日本で看護師をしていたあやぱんが、シンガポールで産後のお母さんと新生児のケアを行なった経験を元に、「産後の親子の健康」に関する役立つ情報を探究してまとめています。
今回探究してまとめた内容は、「乳腺炎の原因と症状」についてです。
こんな方に必見‼️
- 初産婦さん
- 母乳分泌が安定しない産後のお母さん
- 乳腺炎になりやすい経産婦さん
♡乳腺炎の症状について理解できる。
♡乳腺炎の原因について理解できる。
「絶対乳腺炎になりたくない!」っというお母さんはたくさんいらっしゃるいらっしゃいます。
私も産後のお母さん達から何度もその言葉を聞いてきました。
「乳腺炎になると本当にしんどいから。」と経験者から言われると、恐怖ですよね。
産後のママが恐れる乳腺炎…
そもそもどんな病気なのでしょうか?
乳腺炎がどんな病気なのか理解できれば、産後のママの悩みも少しは減るはず!
ということで、今回は乳腺炎がどんな病気なのかを探究してまとめます。
乳腺炎とは?
乳腺炎とは、乳腺が何らかの原因によって炎症を起こしている状態のことです。
乳腺とは母乳を作り、母乳を蓄える場所です。
※乳腺については、おっぱいのしくみで解説しております。詳しく知りたい方は、そちらを読んで下さい。
炎症は、細菌やウイルスなどの病原体が体に侵入してきた時に、白血球が身体を守ろうとその病原体と戦っているときに起こります。
つまり、乳腺炎は乳腺に侵入してきたバイキンマン(病原体)と身体を守るアンパンマン(白血球)が戦っている状態です。
炎症が起きると炎症部分に、
- 赤くなる(発赤)
- 熱くなる(熱感)
- 腫れる(腫脹)
- 痛みが出る(疼痛)
という症状が出ます。(炎症の4徴候)
おっぱい(乳腺)が炎症を起こし始めると、初期段階では1つや2つこれらの症状が現れます。授乳する度に、自分のおっぱいはこれらの症状が1つでも現れていないかどうか、確認しましょう。
乳腺炎で現れる他の症状は、
- おっぱいの一部が怒張する。
- おっぱいの一部にしこりがある。
- 発熱。
- 悪寒。
- 頭痛や関節痛。
- 全身がだるい(倦怠感)。
などの症状があります。
乳腺炎は2種類あります。
うっ滞性乳腺炎と化膿性乳腺炎です。
うっ滞性乳腺炎とは、母乳の通り道である乳管が十分開いていない、乳児が母乳を飲む力が十分にない、などが原因です。母乳(乳汁)がおっぱい(乳腺)に溜まることで起こります。痛みを伴うおっぱい(乳房)の腫れと硬いしこりがあるのが特徴です。
化膿性乳腺炎とは、何らかの理由で乳頭が傷つき、そこから細菌が侵入し乳管を通って乳腺組織にまで広がってしまうものです。悪化するとウミ(膿)が出てきます。おっぱい(乳房)の痛みや腫れに加えて発赤や熱感、発熱などの特徴があります。
※乳腺組織についてもっと知りたい方はおっぱいのしくみをご覧下さい。
乳腺炎の原因
乳腺炎についてわかってきたところで、次は乳腺炎の原因についてです。
乳腺炎の原因を理解することで予防に繋がります。
うっ滞性乳腺炎の原因(おっぱいに母乳が溜まる原因)
うっ滞性乳腺炎の原因は、
- 赤ちゃんの乳房への吸着が上手くいっていない。
- 授乳の間隔が長過ぎる。
- 急激な授乳回数の減少。
- 過度なおっぱい(乳房)への刺激。
- 締め付けるような服装。
赤ちゃんの乳房への吸着が上手くいっていない状態とは、
①乳頭だけしか口に入っていない。
②赤ちゃんの舌が口の奥にあって、舌で母乳を押し出すことができない。という状態です。
授乳間隔は赤ちゃんによって異なります。
新生児期は特に赤ちゃんの欲求に応えてあげることが大切ですが、乳腺炎の症状が現れてから授乳するのでは間隔が長過ぎています。
粉ミルクは、飲み始めてから次の粉ミルクを飲むまでの間を3時間空けましょう。その3時間の間に母乳で授乳することは問題ないです。重要なのは前回の粉ミルクと次回の粉ミルクの間隔を3時間開けることです。
母乳育児の場合、新生児期の授乳回数は8回未満では少ないです。
しかし、新生児期でも既に授乳が安定しており、体重増加も問題なければ、授乳回数は気にしなくても大丈夫です。
過度なおっぱいへの刺激とは、必要以上に搾乳をすることです。
赤ちゃんが頻回におっぱいを吸っているのにも関わらず、お母さんが母乳不足を心配して授乳後に何度も搾乳をしてしまうのは危険です。
特に産後1週間は母乳がほとんどでませんが、搾乳をやり過ぎてはいけません。赤ちゃんが飲む量よりも過剰に母乳が作られてしまい、余った母乳がおっぱい(乳腺)に溜まり、乳腺炎が起きてしまいます。
締め付けるような服装とは、脇の下やおっぱいの周りを締め付ける洋服や下着のことです。リンパに流れを悪くしてしまいます。
うっ滞性乳腺炎は特に初産婦さんに多いです。
化膿性乳腺炎の原因(細菌が侵入する原因)
化膿性乳腺炎の原因は、
- 乳頭の損傷
乳頭が傷つく原因としては、
- 赤ちゃんの飲み方が浅い
- 一回の授乳時間が長い(30分以上)
- 左右の授乳回数と時間に偏りがある。
- 赤ちゃんが乳頭を噛む
などです。
原因となる細菌は連鎖球菌や黄色ブドウ球菌が多いようです。
乳腺炎が悪化するとどうなる?(合併症)
ここでは乳腺炎が悪化すると更にどうなるのか、まとめています。
以下のような症状がある場合は、自分で対処しようとせず、すぐにかかりつけ病院に電話して受診してください。
乳腺膿瘍
乳腺炎が悪化すると乳房が化膿してきます。
おっぱい(乳房)が更に膨張して、パンパンになり、膨張した部分の皮膚が変色します。
膿瘍(細菌と膿のかたまり)が乳管で詰まっている状態です。
対処法としては、膿瘍を取り除いて、抗生物質(ペニシリン耐性抗生物質)の投与が必要です。
膿瘍の取り除き方は、
- 小さく切開してカテーテルで出す。
- 針で吸引する。
です。
両者ともにエコーで探しながら行います。
切開した部分から母乳が出てくることもあるそうですが、暫くすると止まるので授乳は続けても大丈夫です。
気が進まない方は搾乳をしましょう。
授乳ができるようになり次第、再開すると良いです。
乳腺炎のまとめ
最後に、重要な部分のおさらいです。
乳腺炎は乳腺に侵入してきたバイキンマン(病原体)と身体を守るアンパンマン(白血球)が戦っている状態のことです。
乳腺炎は、うっ滞性乳腺炎と化膿性乳腺炎の2種類があります。
うっ滞性乳腺炎とは、母乳の通り道である乳管が十分開いていないために、母乳(乳汁)がおっぱい(乳腺)に溜まることで起こります。痛みを伴うおっぱい(乳房)の腫れと硬いしこりがあるのが特徴です。
うっ滞性乳腺炎の原因(おっぱいに母乳が溜まる原因)
- 赤ちゃんの乳房への吸着が上手くいっていない。
- 授乳の間隔が長過ぎる。
- 急激な授乳回数の減少。
- 過度なおっぱい(乳房)への刺激。
- 締め付けるような服装。
化膿性乳腺炎とは、何らかの理由で乳頭が傷つき、そこから細菌が侵入し乳腺組織にまで広がることで起こります。おっぱい(乳房)の痛みや腫れに加えて発赤や熱感が現れます。また、発熱が出るのも特徴です。
化膿性乳腺炎の原因(乳腺が感染する原因)=乳頭の損傷
乳頭損傷の原因
- 赤ちゃんの飲み方が浅い
- 一回の授乳時間が長い(30分以上)
- 左右の授乳回数と時間に偏りがある。
- 赤ちゃんが乳頭を噛む
乳腺炎が悪化すると乳腺膿瘍になります。
いかがでしたでしょうか?
これに引き続き「乳腺炎の予防」についてはこちら↓↓でまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
終わり♪
※私はいつも産後のお母さんやお父さんをサポートする人たちの一人です。もし、産後の育児や健康で悩んでいる方がいらっしゃいましたら、私がいつでもお話を聞きます。
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