お母さんの産後生活(産褥生活)

こんにちは♪
看護探究隊のあやぱんです。
この記事を読みに来てくださりありがとうございます♡


産後ケアのカテゴリーでは、日本で看護師をしていたあやぱんが、シンガポールで産後のお母さんと新生児のケアを行なった経験を元に、「産後の親子の健康」に関する役立つ情報を探究してまとめています。


今回、私が探究をしてまとめた内容は、出産を終えたお母さんの産後生活についてです。

この記事のメリット♡


♡ほんの少しの工夫で母体の回復を早めることができる
♡母乳育児確立のために最低限やるべきことがわかる
♡自分のライフスタイルを取り戻し楽しい育児ができる。

リアルなお母さんの産後生活(産褥生活)


私は産後ケアを通して産後のお母さんのリアルな生活を見てきました。


ここでおさらいですが、

産褥とは妊娠・出産によって変化したお母さんの体が、妊娠前の体の状態に戻るまでの期間をいいます。一般的には産後6〜8週間を示します。


なので、産褥生活とはその期間のお母さんの生活のことです。


病院でのお母さんの過ごし方は実習で見たことがあったので、なんとなく理解していたのですが、退院後のお母さんの産褥生活は想像以上に大変だということを実際に見て感じました。

出産経験のある方は退院後のご自宅での生活はどうでしたか?

意外と楽でしたか?

それとも大変でしたか?

これから出産を迎える方は、ご家庭での産褥生活をどんなふうにイメージしているでしょうか?

ここでは、私が想像していたお母さんの産褥生活と特にギャップがあったリアルなお母さんの産褥生活の一部を紹介します。

夜間授乳で寝不足になる。


退院直後はまだ母乳の分泌や赤ちゃんの吸啜が安定しないことが多く、また赤ちゃんの胃袋はとっても小さいため頻回授乳です。(特に初産婦に多い。)


個人差はありますが…夜間に一定の時間泣き続ける赤ちゃんもいて(黄昏泣き)、泣くとお腹が空くため夜間に頻回授乳することも多々あります。


シンガポールでは2泊3日で退院することが一般的です。
その上、退院後2週間くらいまでは体重や黄疸チェックのために多いと3日に1回外来受診に通います。(担当医師による。)


そのため、早期退院と夜間授乳、頻回の外来受診によって体力が回復していないお母さんは睡眠時間が確保できずヘトヘトです。


サポート者がいないお母さんは、それに加えて料理、洗濯、掃除、赤ちゃんのおむつ交換やお風呂など…やることがたくさんです。

お母さんになると誰もがこなしていることなので、育児は誰でもできると思われがちですが、そんなことはないのですね。

産後の生活を侮らず妊娠がわかったら少しずつパートナーや協力してくれそうなご家族と相談して、産後のサポート力を確保しておくと良いです。

いつもよりたくさん寝てるのに授乳後は眠くなる。

産後ケア中、お母さんが寝るタイミングといえば授乳後が多かったです。これは予想外というよりも、お母さんの体やホルモンがそうさせているということに、私は驚きました。

なぜ?お母さんは授乳後に眠くなるかといいますと…赤ちゃんがおっぱいを吸うと分泌される女性ホルモン「プロラクチン」が原因です。

※プロラクチンについての詳しい解説は「おっぱいのしくみ」の記事をご覧下さい。


プロラクチンは母乳を分泌させるホルモンですが、実はそれだけではなく、リラックス効果があり傾眠作用があります。よって、授乳後は体が自然と休めるようになっているのです。


また、このプロラクチンは夜間により多く分泌されます。夜間授乳は母乳分泌を持続するために効果的ですし、夜間授乳したとしても体を休める作用もあるので熟眠感を得られます。


とは言っても、もともと昼夜のリズムができているお母さんたちは、産後の生活リズムの変化に対応できず、寝不足になるという方もいらっしゃいます。


一人で頑張らず、サポート者を頼りながら自分の睡眠時間を確保することをオススメします。お母さんが寝ることで母乳が作られるので母乳育児にはお母さんの睡眠が特に重要になります。

食欲があり、普段より食べてしまう。


特に母乳育児をしているお母さんは、
「産後はお腹がよく空きます。これでは痩せるどころか太ってしまいますよね。」とよくおっしゃっておりました。


でも、産後の母乳育児しているお母さんはそれが正常です。
産後のお母さんはアスリートと同じくらいのカロリーを摂取しても良いと言われています。


正確には、1日に750mlの母乳を授乳するためには、普段の食事にプラス一食追加が必要なのです。


もし、体重を気にされているのであれば、間食や夜食はお菓子ではなく果物を摂取したり、具材多めのスープを余分に作って間食や夜食に食べるのをオススメします。イモや春雨などは満腹感を得られるのでスープの具材に使うと良いです。

母乳の質や量は母親の食事の影響は受けない(妊娠中に蓄えられたものから賄われる。)という研究結果もありますが、お母さんの体を回復するためには産後の食事は大切です。


産後に十分な睡眠確保と栄養摂取をしないと、後々お母さんの健康や生活に支障をきたします。


第二子の産後ケアをさせて頂いたお客様の中で、第一子の時に体を十分に回復させずに生後3、4ヶ月で職場復帰したお母さんが、
「風邪をひきやすくなった。」
「体が疲れやすくなった。」などとおしゃっていました。

その経験もあり、第二子では産後ケアを受けようと決心したそうです。

涙が止まらない…または、イライラする。


私が産後ケアでお客さんのご自宅に行き、まずやることはお母さんと赤ちゃんの昨晩の様子を聞くことです。


そこで何度か聞いたことがあるのは、
「何をしても赤ちゃんが泣き止まなくて、なぜか私も一緒に泣いてしまいました。」

「退院した直後はなぜかわかりませんが、涙が溢れ出て止まらない時期がありました。」

「なぜかイライラしてサポートしてくれていた母に八つ当たりしてました。」
などの意見でした。


まさにこれは「マタニティブルー」です。


出産を境にお母さんのホルモンは激変します。
急激に減少するホルモンと急激に上昇するホルモンがあり、そのホルモンバランスの乱れが泣いたり、イライラしたりしてしまう理由の一つです。


そして睡眠不足、育児のプレッシャーや疲労などがマタニティブルーを助長させます。


マタニティブルーは1、2週間で自然と治ります。
一時的で、誰もが起こりうる症状なので、決して自分を責めたりしないで下さいね。


そして、パートナーや身近なサポート者はいつもより感情的になったり涙している産後のお母さんを見たら、体を休めるよう促して下さい。

ホルモンのせいであり一時的な症状なので、回復するまで家事や育児のお手伝いを少しでもしていただけると、お母さんは大変助かります。


+α ホルモンの激変について
妊娠するとエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が上昇します。これらは出産を境に急激に減少します。
なぜ?これらのホルモンが妊娠中に増えるのかと言いますと…
まず、エストロゲン(卵胞ホルモン)は胎盤の発達を助けるからです。胎盤はお腹にいる赤ちゃん(胎児)に栄養や酸素を与えます。そのため、胎盤の発達は妊娠中において必要不可欠なのです。
次に、プロゲステロン(黄体ホルモン)は子宮内膜の形成を助け、おっぱいと骨盤付近への血液供給を増やします。母乳はもともとお母さんの血液であり、胎児の栄養も血液で供給されるので、プロゲステロンの分泌が高い良い理由がわかります。そして、エストロゲンとプロゲステロンには共通して「気分の浮き沈み」をさせる症状があります。

意外と多い、産後の痔。

産婦人科に勤めている方はあるあるなことだと思いますが、私は産後ケアをするまで、産後のお母さんがになりやすいということを知りませんでした。


でも、妊娠や出産でになることは珍しくないようです。

なぜ?になりやすいかと言いますと…
妊娠中は直腸や肛門付近の血流が悪くなるためいぼ痔になりやすく、さらに出産時にいきむことでいぼ痔ができます。

また、産後は授乳により水分不足になりやすく便秘になります。
便秘は痔を悪化させたり切れ痔になることがあるので、排便コントロールする必要があるのです。


まずは水分補給をしっかり行い、必要であれば下剤の処方を医師に相談しましょう。あとは、体を温めると良いです。


既に痔がある方は、ドーナッツ型クッションを使用しましょう。
産後の痔は放置しておいても基本的には自然に治りますが、痛みがひどい場合はかかりつけの産婦人科に受診しましょう。ステロイドの塗り薬を処方されることもあります。

産後生活で最低限やってほしいこと


私が実際に見たリアルなお母さんの産褥生活はどうでしたか?

産後の様々な問題に対して人それぞれ症状も異なるし、どのように予防・対処すれば良いか頭を抱えてしまいそうですよね。

そこで!少しでも快適に楽しく赤ちゃんと産褥生活を過ごしていただくために、これだけは押さえて欲しい産褥生活で最低限やって欲しいことを紹介します。

退院後2週間くらいは昼夜関係なく横になる時間を確保する。(特に授乳後)

・シャワーは出産の翌日からOK!入浴は悪露が少なくなる産後1ヶ月くらいまでは控える。

・母乳育児はビタミンKが不足する傾向にあるので豆類(特に納豆)、緑黄色野菜、レバーを食べるよう心がける。

・アルコールを飲んだら搾乳して捨てること。
(母乳中のアルコール濃度は飲酒後30〜60分が最大になると言われています。飲酒後2〜3時間のおっぱいは搾乳して破棄すると良いです。)

・コーヒーは1日に2杯くらいはOK!
(カフェインレスがおすすめ。ノンカフェインのタンポポコーヒーはあまり美味しくない。)

・甘いもの、脂っこいもの、刺激物、塩分が多い食べ物はおっぱいが詰まりやすくなるので注意する。
 (自分が何をどのくらい食べるとおっぱいが詰まりやすくなるのか把握しながら食べるものを調整する。食事前後の授乳を要チェック。)

・便秘になりやすいので水分を多く摂取する。(目標1日2L)

・性生活は感染予防のために産後1ヶ月は控えましょう。

最後に…

出産を無事終えて、赤ちゃんとお家に帰れることはとっても素敵なことです。
母子ともに元気だからこそ出来ること。

初めてのことは何でもみな手探りから始まりますよね。
育児に慣れてくると赤ちゃんとの時間はもっともっと楽しくなります。

生まれてから1歳までは、人間が人生で1番成長する時期です。
ご両親がお子さんの成長を楽しく見守れることが1番大切だと私は思います。

もし、産後の育児や健康で悩んでいる方がいらっしゃいましたら、私がいつでもお話を聞きます。

産後の母子健康・育児相談を承ります 誰かに私の声を聞いて欲しい…はい、看護師の私が聞きます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

終わり♪

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